作者「阿部完市」のプロフィール
姓号
阿部完市
よみがな
あべ かんいち
生年
1928年
没年
2009年
句集名
『無帽』『絵本の空』『にもつは絵馬』『春日朝歌』『純白諸事』『軽のやまめ』『地動説』『阿部完市俳句集成』等。
備考
海程 未完現実
作者が「阿部完市」の俳句
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俳句
夏終る見知らぬノッポ町歩き
火つけしてかえる鬼灯がおもちや
花子鯉抱きああうしろのくににたおれる
花色のはなし一ケをかざる支店
花茣蓙ひろげておるすばんかな
海へ少女朝を射ち抜く弾丸となつて
海猫(ごめ)群集(ぐんじゅう)大ぶりの島でありけり
絵本もやしてどんどんこちら明るくする
柿色の柿の家までおどりおどり
寒桜われら神妙である
看護婦睡る永くかすれた航海して
奇妙に明るい時間衛兵ふやしている
起床してすぐに踊つて風つくる
急に木を切つてあかるし花聟ら
玉体と青馬あらわれるは初夏なり
栗一樹これから身体的所見
月と兎とわが家明るし罠ある土地
月夜を滑る男ほしがる笛太鼓
呼吸さびし柱と青葉の樹がつつ立ち
行きゆき川舟なによりも散調(さんじょう)のこと
黒牛のどつと通りし坂の檀(まゆみ)
今晩かならずこの白百日紅あふれます
沙河にゆきたし六月私は小馬
妻ねむらせ部屋中に滝落しみる
桜騒箱をならべて箱のこと
三月の紙でつくつた裏あける
三輪車で国境こえるかるくなり
傘さすならば水田にうかびけり
山々で指をかついでかくれんぼ
山々や三百六十五日と休日
思えば近世であるしかしこんぱす
私ねむる土民のごとき暗さとなり
私の島ではればれ燃える洗濯屋
樹上は夜羽でかえつて来て夜勤
終日逃げるここらあたりがカチカチ山
純粋にあゆをならべてはこわす
純粋に木箱置いてあります
少年の牙はさふらんそしてさんざし
少年来る無心に充分に刺すために
上陸のようなり知人つづいて鶏
水飯少少そしてそれから鯊釣るけしき
晴着着て峠くだれば母の国
精神はぽつぺんは言うぞぽつぺん
青胡桃こつんとひとつ隠岐詞(ことば)
静かなうしろ紙の木紙の木の林
川の絵が上手ですから早起きです
草のなかでわれら放送している夏
草木より病気きれいにみえいたり
他国見る絵本の空にぶらさがり
太郎月の太朗のお年玉いちふらん
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